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【2019年度】確定申告書Aの書き方 医療費控除や住宅ローン控除を受けるために

確定申告・年末調整

サラリーマンやパート勤めの人であっても、医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合は確定申告が必要です。「どんな時に控除が受けられるのか分からない」「確定申告書の作成って難しそう」とお思いの方も多いのではないでしょうか?

確定申告で控除を受けるには、国が定めた要件を満たす必要があります。そこで今回は控除を受けるのに必要な条件や制度の説明と、サラリーマンやパート勤めの人が確定申告を行う際に使用する「確定申告書A」の書き方について解説します。
 

目次

  1. 確定申告書A・Bの違い
  2. 確定申告で控除を受けよう
    1. 医療費控除(セルフメディケーション税制)
    1. 住宅ローン控除
    1. 配偶者控除・配偶者特別控除
    1. 特定支出控除
    1. 寄附金控除(ふるさと納税)
  3. 確定申告書作成前に準備するもの
    1. 確定申告書
    1. 申告内容を裏付ける書類
    1. マイナンバー
    1. 印鑑
  4. 確定申告書の書き方
    1. 確定申告書A 第一表
      1. 収入金額等
      1. 所得金額
      1. 所得から差し引かれる金額
      1. 税金の計算
      1. その他
  5. 確定申告書A 第二表
    1. 所得の内訳
    1. 所得から差し引かれる金額に関する事項
    1. 住民税に関する事項
  6. サラリーマンでも税理士に依頼すべき?
  7. まとめ

確定申告書A・Bの違い

確定申告書には「確定申告書A」と「確定申告書B」の2種類があり、確定申告書Aは簡易的な申告書になります。確定申告書Aを使える条件は限られていて、所得の種類が給与所得や公的年金等その他の雑所得、配当所得、一時所得のみで、なおかつ予定納税がない人が利用できます。(予定納税とは前年の所得税が15万円以上だった場合に前払いしなければならない税金のことです。)

 

会社員やアルバイト・パート勤めの人が医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合は、基本的に確定申告書Aを利用します。確定申告書Bはオールマイティに誰でも使える申告書です。詳しくは別の記事で解説しますが、個人事業主や不動産所得がある人は、確定申告書Bを利用します。

 

確定申告で控除を受けよう

医療費控除(セルフメディケーション税制)

 

医療費控除とは年間に支払った医療費が一定金額を超えた場合に、納めた税金の一部が還付される制度です。1月1日~12月31日までの1年間にかかった医療費が10万円(総所得額が200万円以下の人は総所得金額の5%)を超えた人が申告できます。この医療費は、自分以外に生計を同一する家族の医療費を合計することができます。

 

控除できる金額は、医療費の合計から10万円(総所得額が200万円以下の人は総所得金額の5%)を差し引いた金額です。健康保険や民間の生命保険などで補てんされた金額があれば、それも差し引きます。この控除額に所得に応じた税率をかけた金額が、申告して還付される金額の目安です。所得税率は所得金額が高くなるほど高くなるため、通常、所得金額が高い人が医療費控除を受けた方が返ってくる金額が高くなります。例えばかかった医療費が40万円で、健康保険や民間の生命保険から補てんを受けておらず、所得税率が10%の人の還付金の目安は以下の通りです。

 

(40万円-10万円)×10%=3万円

 

2017年分の申告から、一部の市販薬など特定の医薬品の購入金額が1万2,000円を超えると(上限金額8万8,000円)控除申請ができる「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が始まっています。

 

申告できるのは、特定健康審査(いわゆるメタボ検診)・予防接種・勤務先の定期健康診断・健康診査・がん検診のいずれかを受けており、それを証明できる書類がある人です。 医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか利用することができません。どちらを受けた方がお得かはかかった医療費によって異なるので、控除額を概算してお得になる方を利用しましょう。

 

住宅ローン控除

 

住宅ローン控除とは住宅ローンを借りて要件に当てはまる人が10年間、ローン残高の1%を所得税から控除してもらえる制度です。この制度を受けるための条件は以下の通りです。

 

1.住宅ローンを受けたい人が住む住宅であること

2.その住宅に控除を受けようとする年の12月31日まで住むこと

3.住宅ローンの借り入れ期間が10年間以上であること

4.勤務先から借入れる場合は利率が0.2%以上であること

5.親族から個人的な借入れをしていないこと

6.床面積の合計が50㎡(平方メートル)以上であること

7.床面積の1/2以上が居住用であること

8.その年の所得金額が3,000万円以下であること

9.居住した年の前後2年間(合計5年間)に他の税金の優遇措置を受けていないこと

 

中古住宅の住宅ローン控除を受けるには、上記の9つの条件に加えて次の3つの条件を満たしている必要があります。

 

1.年数の条件や耐震基準を満たしていること

2.親族などから購入していないこと

3.住宅を贈与で取得していないこと

 

控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。医療費控除や生命保険控除は所得控除に当たり、税金の計算をするときに収入から差し引くことができます。一方住宅ローンは税額控除で、控除額がそのまま還付されるため節税効果が高いです。

 

配偶者控除・配偶者特別控除

 

配偶者控除・配偶者特別控除とは、所得が少ない配偶者がいる場合に収入に応じた所得控除が受けられる制度です。配偶者の年間所得が38万円以下の場合は配偶者控除が、38万円超123万円以下の場合は配偶者特別控除を受けることができます。

 

配偶者控除・配偶者特別控除を受けるための条件と控除額を以下に示しました。

 

配偶者控除

配偶者特別控除

控除を受ける条件 ・民法上の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しない)

・納税者と生計を一にしていること

・青色申告者の事業専従者としてその年一度も給与の支払を受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと
・年間の合計所得金額が38万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であること ・年間の合計所得金額が38万円超123万円未満(給与のみの場合は給与収入が103万円超201万円未満)であること

・他の人の扶養家族になっていないこと
控除額 ・配偶者の年齢が70歳未満の場合:38万円

・配偶者の年齢が70歳以上の場合:48万円
・控除を受ける納税者本人の合計所得金額により変動。合計所得金額が上がるにつれて段階的に少なくなる

「納税者と生計を一にしていること」という条件がありますが、これは生活に必要なお金を納税者と共にしていることを言います。仕事や修学、療養などの理由で別居していても、常に生活費などを送金している場合は生活を一にしていると言えます。

 

特定支出控除

 

特定支出控除とは、サラリーマンが仕事に必要な経費を個人で支払う場合、個人事業主の必要経費と同様の考えで控除を受けられる制度です。控除の対象となる経費のことを「特定支出」といい、2014年の税制改正で対象枠が広がったため活用しやすくなりました。特定支出控除の項目は、以下の通りです。

 

・通勤費

・転居費

・研修費

・資格取得費

・単身赴任者の帰宅旅費

 

2014年に加わった項目

・図書費

・衣服費

・交際費

 

特定支出控除は給与所得控除の1/2を超えた金額が対象です。特定支出控除額や給与所得控除額の計算は長くなるので、ここでは割愛します。例えば年間の特定支出が100万円で給与所得控除の1/2の金額が80万円の場合、特定支出控除額は ”100万円-80万円” で20万円になります。特定支出控除を受けるには特定支出の明細書、給与支払者の証明書、領収書の添付が必要です。

 

寄附金控除(ふるさと納税)

 

寄附金控除は納税者(個人)が、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに寄附した場合に受けられる所得控除です。「ふるさと納税」もこの控除に該当する寄附金です。政治活動に関する寄附金や認定NPO法人・公益社団法人などへの寄附金のうち一定のものは、所得控除にするか税額控除にするか選択できるようになっています。

 

一般的には税額控除の方がお得になることが多いですが、高額所得者がある程度の額以上の寄附を行うと、所得控除を選んだ方がお得になる場合があります。高額の寄附をすることで控除額を損することがないように、所得控除と税額控除を選べるシステムになっています。

 

寄附金控除を受けるためには、寄附した団体からもらった領収書を確定申告書に添付する必要があります。また寄附を行ったのが団体であれば、その団体が適正な団体であることを証明する書類の写しや認定書の写しを、政治活動関連の寄附金の場合は選挙管理委員会などの確認印が押印された「寄附金(税額)控除のための書類」を添付、もしくは提示する必要があります。確定申告書の提出までに「寄附金(税額)控除のための書類」が準備できない場合は、代わりに寄附金受領証の写しを添付して確定申告をします。後日書類が交付されたら、税務署に提出しに行きます。

 

確定申告書作成前に準備するもの

確定申告書

 

先ほどもお伝えした通り、確定申告書にはAとBの2種類があり、サラリーマンが医療費控除などで確定申告する場合は確定申告書Aを準備します。申告書は税務署や申告書会場でもらうことができますが、国税庁のWebサイトからダウンロードすることもできます。ちなみに「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」で電子申告を行う際は、紙の申告書は必要ありません。

 

申告内容を裏付ける書類

 

サラリーマンが医療費控除などで確定申告をする場合、給与の源泉徴収票が必要です。源泉徴収票は申告書に記載した内容を裏付けるために、原本を添付して提出します。年金受給者の場合は、公的年金の源泉徴収票の原本が必要です。サラリーマンは前年末から1月頃、年金受給者は1月下旬頃に源泉徴収票が発行されるので、しっかり保管しておきましょう。

 

マイナンバー

 

2016年分の確定申告書類から、マイナンバーの記入欄ができています。配偶者や扶養家族のマイナンバー記入欄もあるので、申告書記入の前に家族分のマイナンバーを確認しておきましょう。

 

印鑑

 

確定申告書には捺印が必要です。シャチハタは不可となっているので、実印・銀行印・認印を準備しましょう。申告書提出時に不備があれば訂正印が必要なので、念のため税務署に印鑑を持って行くことをおすすめします。

 

確定申告書の書き方

確定申告書A 第一表

確定申告書Aは第一表と第二表の2枚の書類で構成されています。確定申告を行うには、2枚とも記入する必要があります。

 

収入金額等

 

「収入金額等」の欄には、給与や年金で言えば額面(年収)を記載します。額面は、源泉徴収票の「支払金額」に記載されている金額です。額面700万円、所得500万円貰っている人の場合、「給与(ア)」欄に「700万円」を記載します。給与以外に株や競馬の配当金などがあれば、雑所得(イ)(ウ)や配当(エ)、一時(オ)に記入します。

 

所得金額

 

「給与(1)」欄に源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を記入します。額面で700万円、所得500万円貰っている人の場合、「500万円」を記入することになります。給与以外に雑所得、配当所得、一時所得があれば(2)以降を記入して合計額を出します。例えば雑所得、配当所得、一時所得がそれぞれ10万円ずつあれば、(2)(3)(4)に「10万円」を記入し、(5)の合計に「530万円」と記入します。給与以外の所得がなければ、「給与(1)」欄の金額通り「500万円」と記入します。

 

所得から差し引かれる金額

 

源泉徴収票の「配偶者特別控除の額」「社会保険料等の金額」「生命保険料の控除額・地震保険料の控除額」などの各種控除金額を、該当する欄に記入します。年末調整で保険料控除の申告し忘れなどがあり、源泉徴収票の記載から変更がある場合は、正しい控除額を計算し直して記入します。また、確定申告に記入する基礎控除は38万円です。

 

例えば源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」に250万円と記載があれば、(16)に「250万円」、雑所得控除が30万円あれば(17)に「30万円」と記入します。基礎控除38万円も(18)に記入し、(20)の合計に「318万円」と記入します。

 

税金の計算

 

「課税される所得金額(21)」を計算し、記入します。「上の(21)に対する税額(22)」欄の計算には以下の表を利用してください。


所得税の速算表

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 97,500円
330万円超 695万円以下 20% 427,500円
695万円超 900万円以下 23% 636,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

これまで挙げた例のように、所得金額500万円、正しい所得控除の額280万円であれば、課税される所得金額は ”500万円-280万円” で220万円です。この際、1,000円未満の端数があれば切り捨てます。(21)欄に「220万円」と記入します。

 

課税される所得金額が220万円の場合、上に示した「所得税の速算表」を参照して計算すると、

 

220万円×10%-9万7,500円=12万2,500円

 

となり、「12万2,500円」を(22)欄に記入します。

(32)(34)欄には(22)の金額をそのまま記入します。(38)欄には源泉徴収票の「源泉徴収税額」を転記します。(35)(36)(40)欄は表の計算式に沿って計算しましょう。



 

その他

 

「配偶者の合計所得金額(41)」欄に、配偶者の前年の合計所得金額を記入します。項番(42)には項番(38)で記入した税額のうち、雑所得・一時所得の所得税および復興と区別所得税の源泉徴収税額の合計額です。

 

項番(43)は、給与等の支払者が未払いの所得があり、その所得に対する所得税と復興特別所得税の源泉徴収税額が未納付の場合に記入します。

 

税金の還付を受ける場合は、申告書第一表の右下の「還付される税金の受取場所」欄の記入が必要です。申告者本人の口座を記入しないと還付手続きができないので、注意しましょう。

 

確定申告書A 第二表

 

第二表には住民税を計算する時に必要な情報を記入します。内容は第一表同様、源泉徴収票から転記します。

 

所得の内訳

 

「収入金額」欄に源泉徴収票の「支払金額」を「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」欄に源泉徴収票の「源泉徴収税額」を転記します。所得の種類や支払者の名称もあわせて記入します。

 

所得から差し引かれる金額に関する事項

 

社会保険料など、源泉徴収票で控除されていれば「源泉徴収票のとおり」と記入し、支払額の合計を記入します。国民健康保険などその他に支払った保険料があれば記入します。生命保険料控除や地震保険料控除を受けた場合は、控除が認められる額ではなく、実際に支払った金額を記入します。他にも配偶者控除を受けている場合や、自然災害などで損害を受けた場合に適用される「雑損控除(17)」、「医療費控除(18)」、ふるさと納税などの「寄附金控除(19)」がある場合は記入しましょう。

 

住民税に関する事項

 

この項目は、16歳未満の扶養家族(子どもなど)がいる場合やふるさと納税などの寄附金税額控除がある場合など、該当項目がある場合のみ記入しましょう。

 

サラリーマンでも税理士に依頼すべき?

 

「税理士に依頼するのは個人事業主や資産家で、サラリーマンが依頼する機会はない」と思われている方もいるかもしれません。税理士は税制の専門家なので、節税の方法や確定申告にかかわる申告書の作成・申告まで、幅広く依頼することができます。

 

税法は年々変わっていくので、毎年確認して申告書を作るのは大変です。医療費控除、特別支出控除など申請したい控除が多い場合や、整理しなければならない明細書が多い場合は、時間的な負担も大きくなります。確定申告書の作成を税理士に依頼すると何より楽ですし、期限内に正確な申告を行うことができます。さらに、税の専門家の立場から節税の提案を受けることも可能です。

 

税理士に相談した場合、相談料の相場は大体1万円~3万円ほどです。この金額であれば、自分でするより税理士に依頼した方が効率がいい方も多いと考えられます。えらべる税理士比較ならご自身で税理士を探すのはもちろん、ピッタリの税理士を無料でご紹介いたします。税理士への依頼をご検討中の方はお気軽にご利用ください。

 

まとめ

 

確定申告を行うことで控除が受けられる制度と、確定申告書Aの書き方についてご紹介しました。医療費控除や住宅ローン控除、配偶者控除など、該当する制度があれば申請して、少しでも還付を受けたいですよね。確定申告書Aは簡易的な申告書なので、思ったよりも簡単に作成できると感じた方もいるのではないでしょうか?一方、控除を受けたい制度が多い人や忙しくて申請の時間が取れない人は、税の専門家である税理士に依頼するのがおすすめです。えらべる税理士比較では税理士探しのお手伝いを行っているので、お気軽にご相談ください。



 

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